家族と一緒に旅行や帰省して、自由な行動ができる時間、それが早朝の撮影を始めるきっかけになった。車で田舎に帰れば、地元の知らなかった場所も事細かに見ることができる。
名所旧跡が目的でない自分にとって、何でもない風景の中に潜む何かを見つけるには、タイミング以外他に方法がないことも知っていたし、それを得るには気の向くままの自由な行動をできる時間は、絶対に必要だった。
そして、長浜。
琵琶湖の北の港町、鉄道が走る以前は物流の大事な要所だった。
今は漁業、またはリゾート。港には小さな漁船とヨットが停泊する。
9月21日は、爽快な夜明けだった。
まだ暗いうちに駅前から街を歩き始め、細い路地を練り歩き、空が白んでくる頃に飲み屋さん街を撮り、港で朝を迎えた。
ホテルを背にして湖を撮っていると、散歩する人たちと時折挨拶したりして、旅先にいるような気分になったりした。
写真を撮ることは、見知らぬ何かを見ることだと思う。
それが故郷であろうと、家族であろうと、全く知らなかった何かが写真に写った時、それは良い写真になると僕は思っている。
長浜の写真、もう一回、更新します。