映画『ジョーズ』を観る。ケーブルTVの洋画チャンネル。
これをつくったスピルバーグは今では尊敬の対象とは言えない存在になってしまったけど、
『ジョーズ』だけは、いい。もう何度観ただろう。
登場する3人の対比や、物語の展開が魅力的。
伏線の張り方がわかりやすく、それでいて説得力がある。
見る側も、「あ、あそこで見た、あれだ」と物語を読み解けることで、映画の世界に引き込まれる。
映画の冒頭。水面を漂うカメラが、単純ながら恐怖を誘う。
手作り的な感触をものともしない、作り手の熱意が感じられる。
そういうのは、不思議と伝わる。
映画は1カットごとの積み重ね。
重要なカットもあれば、つなぎだけとしての1カットもある。それも必要なパーツ。
基本、写真みたいに目の前に在るそのまんまを切りとるというわけにはいかないので、それら全部を、1から作り上げなければならない。
写真家がそれをやると、現代美術の分野に含まれそうになる。
いずれにせよ、映画は写真のように、1カットでは済まされない。
写真家はせっかちな人種だと、誰かが言っていた。
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