日な日な余波ははなやか歩く

週1~2回くらいのペースで、ここで写真展をやってます。「繰り返し」と「凡庸」は写真と人生の本質です。

2015-01-01から1年間の記事一覧

untitld 2015.12.20

画を作っているわけではない。

富岡多恵子さんの『写真の時代』と、大竹昭子さんの『彼らが写真を手にした切実さを』は読んでて気持ちがよい。痒い所に手がとどくからである。写真を撮るのは、現実と自分との間に留まらない「何か」があるからで、それは、いつまでも終わらない。どんなふ…

辛くて苦しい小説をなぜ読むのだろう?

冬の入り口にさしかかった日曜の午後は、どうにもならない気分。ふだんでも日曜の午後はいたたまれないのに。 そんな気分を山下達郎のFM番組を聴いてまぎらわせてみるが、この方の音楽も結構切ないものだから、さらに深みにはまる。机のラジオを聴きながらの…

闇か、光か。

河をわたる。ピンと来ない。土手を上り、なだらかな段々の草地を進む。 考えないで、眺めることにする。目の前に山があり、木におおわれている。好きな部分に目がいく。 真正面、1体1の関係で撮る。 木々の枝の下に入り込むと、とたんに空気が変わった。耳に…

雨の日は傘さして

夜が明けても、雨はやんでない。大きな傘をさして田舎に帰ってきて良かったと思う。 でも、多少レンズはぬれた。時々タオルでカメラを拭きながら野道を歩いた。 橋をわたってちょっとだけ山に入ったりして、撮り始めたら止まらない。 グレーにかすんだ向こう…

雨の天気は避けられない。

撮るのは言葉ほど伝わらないけど。

不要な考えは起こさない。それがいちばん難しい。『なんでもないいつもの所を、なんでもなく撮る。』 写真のそれに惹かれて、先に行くわけでもなく、ただただ繰り返し自分は撮ってきた。それしか無かった。 結果は地味でも、それはいちばんに正しいことだと…

YouTubeでは、エグルストンも見れる。

11月ともなると、夜明けは6時を過ぎる。 もう結構寒い中、バイクで走っていても辺りは闇の中。 そんな時間に通りを走るのは、ドキドキ、ソワソワする。 ぼんやりしか見えない道をウロウロしてると、目的を見失いそうになった。 郊外の山の中。砂防ダムに続く…

捨ててしまえ。

懐かしい記憶の景色にカメラを向けるのは、無意味で無様なこと。 今だけを見て、「見えた」ものを撮る。 後で確かめて、いらなければ捨てる。 あっさり捨てる。 撮ったものを簡単に捨てれるのは、デジタルカメラの良い点だ。

編集!!!!

不確定な感じ

夜が明けてすぐ。河川沿いに続く細い道を走る。車を止めて、外の空気を吸い込んで、そして辺りを見回す。 コンクリートの地面に立って川の流れを覗くと、赤と白の冷蔵庫2台が転がっている。 さっそく見つけてしまった。ゴミを捨てる人間も同じ道筋を行き来す…

答えなど無く。

人は他人のことなんて、判らない。それと同じくして、自分のことも判ってもらえない。黄昏時、小さなストロボを焚いて、撮っているのだと思う。 実際の色ある風景を想像すると、それはうっとりするようなものではなかったのかしら。黄色い光。 これに写った…

何が撮りたいなんて、判らないよ。

駅のホームに降り立ったが、どちらが改札口かもわからない。 とにかくトイレを済まし、左へ。誰もいない改札を抜ける。ワンマンカーの路線。土地の起伏が激しい。すぐそこに山があり、谷川の雰囲気がうかがえる。 下りて、カーブを曲がると橋。下には木津川…

untitld 2015.9.12

ゾクゾクする。

とうとう裏の空き地に家が建つことになった。 今朝から土台の工事を始めている。 作業の音を聞きながら、1人になった休日の家の中で、スチレンボードを置き、写真を並べた。種類別にわけ、整理しながら、ぼんやり眺める。ピンとこなければ、食器を洗ったり…

下品な行動。

用水路。その向こう岸には、不法投棄のゴミが散乱している。 こちら側は、そんなもの見当たらない。向こう岸は住宅街の側で、こちらは田畑。 人間とは勝手なものだと思う。そして気楽なものだとも思う。テレビや布団、洋式便器などが見える。 遠くて小さくて…

趣味が悪い写真。

奥に進むにつれ、熊出没注意の看板が見えだした。熊は人がたてる音の方には近づかないと聞いている。 車の両側の窓をあけ、ステレオから聞こえるジミ・ヘンドリクスのボリュームを上げる。 山の中だから遠慮はいらない。 車を離れて写真を撮る間も、音楽を鳴…

区切りをつけねば、ティルマンス展。

今日も暑い。そんな暑さの中、大阪・国立国際美術館へ、ヴォルフガング・ティルマンス展を見に行った。 東京オペラシティーでの個展も観れてなかったから、今回が初めての個展観賞だ。観終わっての感想としては、「区切り」をつけなければ、そう思った。作家…

マグリッチョ!!!

ミュージアムショップ。興奮冷めやらぬ中、観客を誘い込むのは、良い商売だとあらためて感心する。 自分も図録以外にいろいろ欲しくなってしまったが、寸でのところで気持ちを抑えた。ルネ・マグリット。 いろんなものにその作品がプリントされれば、どれほ…

家族で海水浴。

夜の間中、外は風が吹き荒れる。 眠り、目が覚め、気がつけば午前4時30分。カーテンを少し開けると外はほんのり明るい。 急いで支度をして、外へ出る。ホテルの後ろは海。 その海を背に、山へ向かう。 何故に? ぶらり旅気分、てなわけにはいかないのだ。因…

untitld 2015.7.21

腑に落ちるのか、その1枚。

やり直してもらったネガカラーのプリントの上がりを見て、ひとまず安心する。凡庸に撮った50枚の中から、出来の良い1枚を求めてのプリント注文だが、さすがに1枚だけあればよいとはいかず、十数枚を選んでみる。撮った時の思い込みにしばられない頭で、その…

難関!!! ラボでのプリント注文。

どんなに素晴らしい出来の譜面があっても、演奏が下手ならば、その曲が良いものなのかは判らない。 もし楽譜を読める人がそれを見たとしても、その音楽が持つミラクルな部分までは、頭の中で再生することはできないだろう。 実際の音色の存在、それが肝心。 …

赤茶

色が良ければ、満足度は上がる。 絵画、写真、映画や、彩りの良い音楽。 潤いのない表現は、受け入れるには手間がかかる。

フィルムを売って!!!

夜明けて5時ごろ、閉じたまぶたに光が透ける。 少しずつ、雷の音が近づいてくる。激しい音、隣で息子が布団をかぶりなおしている。日曜日。 早朝の二度寝は気持ちがよい。午前9時ごろ、しだいに空が晴れてくる。雨上がりの陽差しは強い。 庭木の葉の陰がくっ…

何とかする。

遠くの眺めより、さらにもう一段、ぐっと近寄ってみる。 さっきまで見えてなかったものが、見えることに気づく。全体が一部に、一部が細部に。 その切り取られたものが、今の自分の見ている、すべてになる。フレームの中への親しみ、もう自分がいる場所が何…

個人と聴衆の関わり方

『雨上がりの夜空に』は、そんなに良い音楽なのだろうか?ずっと疑問だった。『スローバラード』と比べてしまう。断ち切れないものと、一生付き合うのは、苦しいことだと思う。 確かなものなんて、一瞬にして姿を消してしまう。たぶん『スローバラード』は一…

ウィークエンダー

誰もいない。

脇道を見つけて、ハザードランプを点灯させる。 後続の車が追い越していく。山道をゆっくり走る。誰もいない、山の中腹。向こうの連なる山々に鉄塔がかすんで見える。 何を撮ればよいのか、樹々の枝の重なりを頼りに、その何かをピントの具合で探ってみる。…

試し焼き!!!

「どう写ってるのか?」 それを確かめるのが写真を撮る醍醐味。 上がりの善し悪しは、プリントしなければ判らない。理屈ではないから。注文した95枚のプリントを見ていく。1度めは「写ってない」とガッカリして、2度めは落ち着いて、思い直す。 いつも、そん…