夜が明けても、雨はやんでない。大きな傘をさして田舎に帰ってきて良かったと思う。
でも、多少レンズはぬれた。時々タオルでカメラを拭きながら野道を歩いた。
橋をわたってちょっとだけ山に入ったりして、撮り始めたら止まらない。
グレーにかすんだ向こうの景色がよい。空気のふくらみと影でくっきり浮かぶ枝の線、それと紅葉。
真正面から、ぺったんこに撮る。そんな感じを意識した。自分にはそれが好みなのだと再確認した。
いつも楽しい。心が辛いのも、体がしんどいのも。
ただ、じっと見てしまうのだ。
みとれてしまう景色に流されるのが、正しいことだと思う。
起承転結なんていう物語のような起伏は写真には必要ないね。