日な日な余波ははなやか歩く

週1~2回くらいのペースで、ここで写真展をやってます。「繰り返し」と「凡庸」は写真と人生の本質です。

共有なんて無理。

風呂に浸かりながら子供の頃の冬を思い出していたら、

ちょうど『続・夢千代日記』がNHK BSで再放送されていたので、

見入ってしまった。

ドラマの舞台は、山陰地方の小さな温泉街。

今日放送された「続」の第一回の終わりには、その冬初めての雪が降った。

旅館とストリップ小屋などを舞台にして、

それぞれの部屋の中に灯る薄暗い蛍光灯の明かりが、とても寂しい。

僕が幼少期に過ごした昭和の時代の田舎での、冬の夕暮れを思い出す。

居たたまれない記憶がよみがえるが

消すことには躊躇する。

時代を進めようとするたび、世間は侘しさや寂しさを見ないようにする。

僕の記憶に残された昭和の風景は、

今の時代には否定されるものが、ほとんどだろう。

おそらくこの先、再現されることはないし、

たぶん、できないと思う。

実態がないものは、何の姿かたちも残らない。

それは当たり前の話だ。

今の人はそうやって理屈を言って、済ましてしまうだろう。

だけどね、きっとあるんだよ。

どんな時代がやってこようとも。

ノスタルジーとは一見人を豊かにさせるように見えて、

一人ぼっちにさせる。

冷静に考えれば、

言葉で全てが伝わるはずはないのだ。