劇団大人計画主宰の松尾スズキ氏は、新たに加わった劇団員にはまず、
「恥ずかしい」ということを覚えてもらう練習をすると、どこかで聞いたことがある。
表現するというのは、だいたいにおいて、自己中心的な行為だから、恥ずかしい。
写真を撮ることだって、同じくそうだと思う。
スタジオの中で、カッカしながらモデルを撮影してるのなんて、
「どこがかっこええねん」「退いてまうわ」である。
出来上がった写真が良ければ、まあ、よいのだろうけど、よくないものは、恥ずかしさは伝わってるから良くないのかもしれない。
例えば、『タモリ』さんという方は、そのことをとても意識していると思う。
『いいとも』にオザケンがでて、ギターを弾いて歌った時、タモリさんは「小沢くんの歌は、聴いてても恥ずかしくないね」と言ってたのを思い出す。2人ともかっこいい。
わかったうえで、恥ずかしいを伴いながら続けるって、何の仕事でも共通して言えること。
自分を疑いながら、やる気も失わないっていうのは、「好きこそモノの」というのと、「業(ごう)」みたいなものが混ざりながら出来上がっているようで、生きることって、面白い。