日な日な余波ははなやか歩く

週1~2回くらいのペースで、ここで写真展をやってます。「繰り返し」と「凡庸」は写真と人生の本質です。

写真集『山と子ども』

ずっと、

自分が制作し、取り組んできた、写真集の名前は『山と子ども』。
印刷作業が終わり、これから製本作業するところにまで、やっと漕ぎ着けることができた。







縁あって、印刷機オペレーターという職に就いたということを活かし、
自らの手で出版するというのを、現実のものとすることができた。

自分の写真を自分の手で、オフセット印刷する。
「本作り」の自由を手に入れたことは運が良かったと思うが、とは言え、これは相当に大変なことだった。

写真家として、お金や地位がそれなりにあれば、多少の面倒臭さは逃れられるが、
印刷の全てを自分で引き受けるのは、息を抜く暇もなく、
ふだんの忙しい仕事の上に、さらに自らの「こと」が、のしかかることとなった。

制作過程を写真で記録をする暇も余裕もなく、
いろんな不安、または不満(自らに対しての)に向きあいながら、
頭の中のことを現実のものにするのは、本当に大変なんだと実感した。

こういうやり方でしか写真集の出版をやれないのは、自分の不徳の致すところなのだとも思うが、
こういう面倒なやり方でも、自分の本は出来るということも、いいのではないかと今は思える。

装丁は、岩崎政嗣さんという現代美術の作家の方にお願いし、
互いにアイデアを出しながら、とりあえず今出来ることの最良のカタチに仕上がったと思う。

出来上がれば、これからさらに大変で苦手な「営業」に回ることになる。

とりあえず、出品中の故郷の滋賀県長浜市余呉町での、芸術祭に23日には販売する予定になっている。

不安まみれの、不安しかない状態だが、とりあえず、現実的なカタチにできたことを素直に喜びたいと思う。

この本『山と子ども』が、どこかで誰かとめぐり会えることを、切に望みます。
見かけた時は、手にとってご覧いただけたら、作った人間としては、とても幸せに感じることでしょう。