エグルストンやスティーブン・ショアの写真のように、「ニューカラー」写真のような映画。
物語の離れ離れになった3人の家族という状況は、実際に家族を持つ今の自分には、他人事には思えない。20代の頃、僕はこの映画の何を見ていたのだろう? だって全然記憶にないのだもの。 いや、今回が初見か? ぐらいに記憶がない。
赤い車が2台、違う車線を走っていく、この画面が良かった。
シーンではなく、画面で見る癖がついている。
ヴェンダースは写真を撮っている人でもある。いつだったか写真集も見た。
写真家が撮る映画と、映画監督が撮る写真はとかく違うものだ。
身体感覚で撮ってない写真は、理屈になってしまう。
エグルストンは、理屈では撮っていない。
ピンとくる写真と、こない写真との違いって何?
ヴェンダースの写真はそんな感触だった。