少し前に「市川準」の本が出てるのを書店で見つけたのだけど、未だ手に入れてない。
映画を本で読むのは、あまり気が進まない。本編を観る方がよほど良いと思う。音楽も然り。
一週間前にBSで『トキワ荘の青春』を録画して観たとこで、初めてではなかったのだけど、やっぱりよかった。清潔感がある。清潔感は好きだ。同じ理由で村上春樹の文章も好きだ。
市川準の作品で一番好きなのは、映画監督としてのデビュー作『BU・SU』だ。
それとは別に亡き友人・原神玲は二作目の『会社物語』が好きで、実際サントラも持っていた。『チャクラ』というバンドの板倉文が音楽を作っている。『チャクラ』は僕もラジオで録音した聴いていた。彼と共感できた入口は、そんなだった。
『会社物語』は、その後で観た。出演クレージーキャッツ。もちろん好きである。今もこの作品の中の場面が、ことあるごとに頭に画が浮かぶ。
80年代。
ぴったり自分の10代と重なる。
『BU・SU』の中に出てくる東京にめちゃめちゃ魅かれた。東京の人がたくさん映っている。
フィルムで撮られた(当たり前だけど)青い画面。大楠道代にイッセー尾形、たぶん東京乾電池の広岡由里子という俳優さんに、板倉文の音楽、原由子の『あじさいのうた』ともう一曲、その他いろいろ。担任の先生の人もいい。麦子が再会する同棲中の友達もかわいい。
写真でドラマを撮りたいとは思わない。
それをすると、なんだか嘘になってしまう。
目的は違えど、共感はする。