この写真だけを見ても誰が撮った写真なのかわかる人は少ないだろう。
写真家はおもて立った作風に限ったものばかりを撮るのではなく、「犬も歩けば」で、おもしろいものを見つければ撮る。
発表するかしないかは、その次の話。
それは美術作家のように、コンセプトに先立った行動ではなく、撮ること自体が写真家にとってのテーマだ。
つまりそれは「断片」。
じゃあ写真集というものは、ものにもよるが、つながらない「断片」をたぐり寄せたその発端となる「その人」自体がテーマであり、結果は成りゆきまかせで、現代美術などがたどり着く場所とは異なるところに着地する。
だって、上の写真が載っている本だって、結局のところなんだろう? という疑問が湧いてくる。
虚と実をもって、にぎやかさに、写真という行為をくりかえしてる。
でも、魅力的なので、5000円もするのに、衝動買いをした自分。
アラーキーの本を買うのはひさしぶり。
海外から出た本は、日本で編集された本とは、少し雰囲気が違う。
最近のアラーキーからは遠ざかってたので、これを本屋さんで立ち読みした時は、かっこよさを再認識した。
先のシロクマの1枚を、こんなに大きく掲載するのはちょっとアラーキーの作風からはめずらしいことではないかしら。
本自体も365×275ミリという結構デカイものなので、余計にかっこいい。
他にも、
この1枚なんて、篠山紀信かと、一瞬思う。
あとは、おなじみの作風、古いものもあり。
- 作者: Nobuyoshi Araki
- 出版社/メーカー: Stern Portfolio
- 発売日: 2009/07/15
- メディア: ハードカバー
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る