とにかく、撮ろうと思っている。撮るしかないのだ。
虚しさを押し殺し、自分の中の理由だけを通し、振りかえることもなしで、写真を撮るのだ。
結果的な話だけど。
そんなもんだ、人の社会なんて。
素(す)に戻るのも悪くはない。
はじめから、ノリを無視して、眼を素に戻して、カメラにまかせて、写真を撮っているのだから。
そういうのがなけりゃ、美術の意味が、写真の意味が、そして表現の意味がない。 というのが、自分の考えである。
どんな作品でも、良い作品は、どこかに冷めた目が存在している。
「ものさし」が存在している、客観がある。
そう思うのだ。
今、見える世界で、出来る限りのものを見る。
見つけ出す。
それで自分の人生は、もう、今日でおしまい。
・・・の、つもりで。
なぜだか、そう思っている。