どんなに素晴らしい出来の譜面があっても、演奏が下手ならば、その曲が良いものなのかは判らない。
もし楽譜を読める人がそれを見たとしても、その音楽が持つミラクルな部分までは、頭の中で再生することはできないだろう。
実際の音色の存在、それが肝心。
何でもそうだ。
キュンとさせる何かというのは、どこから来るんだろう。計算だけですべては語れない。
電線一本だけが写っている写真だって、良いものは良いのだから。
写真は撮ったらプリント。善し悪しを見極めるには、それしかない。
正解な写真なんて、そんな簡単には判らないのだから。
答え合わせ的に、それまでの価値観を踏襲するだけの写真を求めるなら、始めから写真なんてやらない。
嫌なんだ。見えなかったことが見たくてやってるのだから。
今日、ラボにネガカラー焼き直しのお願いをした。あまりにひどかったから。
本当にモヤモヤした。
こちらの意図を全部説明することなんどバカバカしいことはわかっている。
でも思うのだ。できるだけ、丁寧な仕事をしてほしい。
大金持ちじゃないんだから、撮ったの全部を手焼きで注文なんてできないよ。