エグルストンの新書は、表紙の写真が好きと言う理由で購入した。
勝手ながら、自分が撮る写真と近いように思っている。
自分はデジタルカメラでその多くを撮るようになってから、撮る量が増えた。出したい色や質感をコントロールできることが、その最大の理由だ。
以前、フィルムで撮っていた時は(今も時々撮るが)テスト焼きの結果を見て、その善し悪しを判断していた。ラボに焼き方を指示して、再度焼き直すことは、ほとんどしなかった。ダメなものはダメ。深追いはしなった。
今は、ちょっとした思いつきでも、何のためらいもなくシャッターを切れる。その結果もひとつ残らず、すべて確認できる。
これが僕のやりたかったことだったのか、と思ったりする。
エグルストンはカラーの写真の自由を早くに手に入れた。手間はかかっただろうが、経済的にも恵まれていたということもあって、それに心血を注ぐ自由はあった。すべてが被写体になるという自由さは、カラー写真の表現の確立があっての話だろう。
その自由が、やっと自分にも手に入った。今頃になって。
William Eggleston: The Democratic Forest - Selected Works
- 作者: William Eggleston III,Alexander Nemerov
- 出版社/メーカー: Steidl Verlag
- 発売日: 2016/11/03
- メディア: ハードカバー
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