寝る前、本棚から昔の本を取り出す。『荒木経惟の写真術』(1998)
ちょっとだけ読んで寝る。あっという間に意識を無くす。
夢を見た。
モノクロのフィルムで撮っていた頃の感触。
それが目が覚めてからも残っていた。
20年前、モノクロフィルムは35mmで、カラーフィルムは6×7で、と使い分けていた。
コダックのトライ-Xををまとめて買ったりすると、妙に嬉しかった。
カメラはもとより、暗室用品が好きだった。
引き伸ばし機のFD6×9や、サンダースのイーゼルを買った時などは、やっぱり嬉しかった。
暗室作りはアトリエ作り。それが楽しかった。
外は晴れてる昼間の暗室作業などは胸を張っての引きこもりで、失業の日々でも落ち込むことなく過ごすことができた。
いろいろ好みの写真は増えたが、やっぱり荒木さんが好きなのだ。
『東京は秋』、『私写真』、『写真論』などが好みの写真集。
まっとうに正面から写真をやれる才能は、うらやましい。
うらやましい。
生きるに値する、なんとなく、そんな言葉が浮かぶ。
とはいえ、時代は移り行くのも事実。
今の僕は、本屋さんに行っても洋書の写真集のところにいることが多い。