夕方。
いつもと違い市バスに乗って家に帰ってくると、いつもの街がよそよそしく見える。 まるで知らない場所にたどり着いたみたいに。
10代の頃の初めてこの街にやって来た感覚が甦ってきているのだと思う。 たぶん。
陽が暮れる時刻に車窓からボンヤリ風景を眺めていると、感傷的な気持ちになってしまう。 「センチメンタル」な「ジャーニー」になってしまう。
目の前に流れるひとつの風景が別の記憶の中の風景につながり、印象が印象を生む。 そして、ここではない何処かに意識は飛んでいく。
どうにも現実的な人間ではいられない。
今現在の自分の中にある常識を、いちいち壊してしまうのである。 それは写真を撮る時の僕の癖であり、習性である。
そんな独り遊びが自分は楽しくても、写真を見る人にはなかなか伝わりにくいのである。
もう、間近になった展覧会のお知らせは、こちら。 → ちなみに、KYOTOGRAPHIE の KG+ 参加写真展です。