日な日な余波ははなやか歩く

週1~2回くらいのペースで、ここで写真展をやってます。「繰り返し」と「凡庸」は写真と人生の本質です。

写真と言葉について、4 その2


「Freischwimmer」とはドイツ語で、「フライシュヴィマー」と読むそうで、「泳ぎ出るもの」という意味だということです。

これは、作品を直接的に説明するものではなくて、自由や独立などの意味を含ませ、なおかつ言葉の響きの良さから、ティルマンス自身の望む精神性を表そうとする象徴的なタイトルだそうです。

むずかしいところに足を踏み入れてしまっても僕自身よくわかってない人なのですが、この人のそれぞれの作品につけるタイトルは、見る側としては興味も魅かれるし、作品の見方もある程度方向づけられることが理解できるし、パーツを組み合わせて展示方法を変えていく作家自身にとってのインデックスにもなっています。

その辺りが写真の世界での一般的なタイトルのつけ方とは異なっていて、それとは別の道を見つけた人として、新しかったという印象があります。

このインスタレーションを撮った写真を、スタジオヴォイス(1997・5月号)の「写真集の現在」特集で見た時は、かっこいい、へエーと思いました。今でも好きです。